「人に必要とされる会社に」…三重の万協製薬

1995年の阪神淡路大震災で被災し、神戸にあった工場が全壊。

翌年、三重県の山の中で再興した万協(バンキョウ)製薬。

この第二の創業で、震災に強い工場、独自のビジネスモデル、従業員を大切にする会社を創り、

震災前の10倍の年商19億円にまでなった。

万協製薬は、「スキンケア」に特化し、小林製薬など多くの企業の医薬品、化粧品を製造している。

2009年には、独自のビジネスモデルと組織活性化の取り組みで日本経営品質賞も受賞。

昨年5月に、TVの「カンブリア大陸」に出演した松浦社長は、今年、「人に必要とされる会社をつくる」という本を出版した話題の企業だ。

震災で、工場が全壊したとき、従業員から、「さあ、一緒に再建しよう」という声は聞かれなかったという。

誰一人からも。

会社を再建したいと思ったのは、松浦社長一人だった。

社長は、設備などの「モノ」も壊れたが、会社が従業員からも必要とされていないこと、信頼も壊れていたことも思い知らされた…。

神戸を立ち退きせざるを得なかった松浦社長は、立ち退き料と借入金で、三重に古い工場を取得。

たったの三人で、これまでとはまったく違う会社を創り始めた。

「人に必要とされる会社」を目指して。

何よりも従業員に…。

「人に必要とされる」という「存在意義」を持つために、企業は、日々勤めなければならないと改めて思う。