「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」 野村監督と孫子の兵法
プロ野球の野村(元)監督の名言として、
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」がある。
「負けるときは、負けにつながる必然的な要因がある(不思議な点はない)」
しかし、「勝つときには、(どうして勝ったのかどうも思い当たらないという)不思議な勝ちがある」ということである。
勝負の深い綾を示す言葉として、多くの人の印象に残っている。
この言葉は、実は、野村監督のオリジナルではなく、江戸時代の大名でもあり、文人、武人でもある松浦静山の言葉だ。
しかし、名監督として知られる野村監督の言葉としてもいかにも相応しいものだ。
孫子は言う。
「先ず敵に負けない態勢をつくれ。次に敵に勝てるチャンスを待て」
「負けない態勢を作るのは自分の問題だ。こちらが勝てる隙をつくるのは敵の問題だ」
負ける原因は、自分の中にある。
だから、負けないということは努力すれば作れる。
だから先ず負けない態勢をつくるべきだ。
「攻め」ではなく「守り」から入るべきだ。
勝つためには、その上で、「不思議のタイミング」を待って、捉えなければならない…。