社長のためのポーター競争戦略 その1-24 「手詰まりの業界」-多数乱戦業界で生き抜く
社長のためのポーター競争戦略 その1-24 「手詰まりの業界」-多数乱戦業界で生き抜く
ここまで、経済的原因で多数乱戦になっている業界について、分析をしてきた。
実は、経済的原因ではないのに、多数乱戦になっている業界が数多くあるとポーターは言う。
経済的原因が無いのに、動かない、動けないという「手詰まり(stuck)」の業界だ。
それは、どんな場合だろう?
三つある。
1)業界の企業に経営資源や経営のスキルが不足している場合
経営資源がない。
ヒトがいない。資本がない。
スキルやノウハウがない…。
2)業界の企業が「近視眼的」で、現状に満足している場合
これまでのやり方にどっぷりと浸かってしまっている。
3)他業界の企業に注目されない場合
ちょっと変わった業界や地味な業界。
華々しくない業界。
もし、こんな業界が目にとまったら、
「戦略的にまたとない好機である」とポーターは言う。
経済的な原因というわけではないので、そんなに大きな投資のリスクを負う必要がないのだ。
必要なのは、意欲とノウハウ、そして、少しばかりの経営資源…。
逆に、こうした業界にいる企業は、新規参入者を想定し、経営革新をしていかないと、
いつ他業界から「黒船」がやってくるかわからないということになる…。