TV放送 視聴率の鍵は、「何かが起きる」という期待 萩本欽一
TV放送が、今年、60年目を迎える。
「TVとは何だろう」ということで、先日、いろいろな人が登場して語っていた(NHK番組)。
「欽ちゃん」こと萩本欽一が、
「衝撃を受けた番組」
が印象に残った。
欽ちゃんが衝撃を受けた番組は、
ただひたすら、
「家の窓」が映っている番組だったのだ。
それは、視聴率89%という空前絶後の数字を出していた。
全国民の9割が、この日、この窓を映し出すTVを見つめていた。
1972(昭和47)年2月28日。
連合赤軍が起こした浅間山荘事件。
人質救出作戦の実況中継だった。
萩本欽一は、衝撃を受けていた。
一方では、ネタを考えて、一生懸命、人に見てもらおうと努力している。
一方では、ただのモノも言わない「窓」を、人々は、見つめている。
(気づくと、相棒の坂上二郎でさえTVを見にいなくなってしまっていた…)
「なぜ、人はこの「窓』を見るのか?」
萩本は考えた。
答えは、
「何かが起きる」という期待
だった。
「人質はどうなる?」
「警察はどうする?」
「犯人たちは?」
これが視聴率の鍵だったのだ。
視聴率の鍵をつかんだ萩本欽一。
その後、
「予測できない人々」
つまり、
「素人」
をどんどんTVに出演させて、
「視聴率100%男」とも呼ばれるようになった。
「何かが起きる」という期待は、
「ライブ」の面白さでもある。
そして、いろいろなメディアの大きな魅力の一つだろうと思った。