「部下が上司の言うことを聞かない理由」…バーナードの権限受容説
組織において、権限を伴わない責任はない。
上司は、部下に指示する権限がある。
この上司の権限は、その上の上司から与えられたものであり、さかのぼれば社長から与えらている。
社長は、取締役会から、取締役会は、株主からと考えるのが普通だ。
近代的組織論の父であるチェスター・バーナードの考えは180度異なる。
「上司の権限は、部下が受け入れるときに発生する」という。
権限は、上の人ではなく、下の人が決めるのである。
部下は、次のようなとき、上司の命令を聞かない。
上司の権限を否定する。
1.上司の命令が、組織の目的と一致しないと部下が考えた場合
2.上司の命令が、部下の個人的な利害と矛盾する場合
3.上司の言っている意味が、よくわからない場合
など
したがって、上司は、
①命令の内容を組織の目的とよく関連付け
②部下の個人的な利害を理解しながら説得し、
③よくわかるように丁寧に説明する
ことが必要だ。
部下とは、実は、自分に権限を与えてくれるボスでもある…