アップル新iPadとジョブスのビジョン
先週の金曜日16日に発売になったアップルの新iPad。
4日間で300万台が売れたという。
電子部品メーカーの収益は、アップル製品に採用されるかどうかで大きく変わる。
株価も「アップルに採用されているらしい」という噂でも大きく動く・・・。
電子専門企業が、今度のiPadを分解してみたら、韓国のサムスン電機のディスプレイや東芝の半導体などが
使われていたという。
改めて考えてみると、「アップルの部品」というのは無い。
アップルは、製品のコンセプトを作っている。
部品は、他のメーカーから調達している。
時価総額が、トヨタの4倍の47兆円に跳ね上がっているアップル。
巨大企業になった。
ここまで大きくなったのは、創立者スティーブ・ジョブスのビジョンだったと改めて思う。
彼は、技術者というよりも「ビジョン・メーカー」だった。
「テクノロジー(技術)を人間のために」というビジョンは一貫していた。
初めにMACというパソコンを作った時も、
「人間がコンピュータの奴隷になるべきではなく、コンピュータは、人間の自由のために使うものだ」
というビジョンを訴えた。
学生時代から「カリグラフィ(装飾文字)」に熱中していたジョブスは、生涯一貫して、テクノロジーを人間のための「美」という価値に包んていったと言える。
パナソニックやシャープなど日本の電機各社の苦境が伝えられるが、より人間的な価値、より高度な価値をビジョンに掲げ、実現していく企業であってほしい。